不動産投資で特に気をつけたい事故物件の取扱いについて
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私は都内に3室の中古ワンルームマンションを保有しています。
不動産投資に可能性を感じていて、今まさに4室目の購入を検討しています。
そんな中で紹介された事故物件について、実体験として記事にしていきます。
不動産投資家や、不動産投資を検討している方にお伝えしたいこと
- 本当にあるんだ!?事故物件を紹介されたケーススタディ
- その時私がどのように対応したか
- 不動産投資家として気をつけたいこと
目次
事故物件を紹介された経緯
既に1室を購入した不動産販売会社から連絡がありました。
めちゃくちゃ良い物件が入りましたと。概要は以下の通りです。私のドストライクです。
- 山手線の豊島区某駅徒歩5分のワンルーム
- 複数路線乗り入れ
- 築10年以内
非常に人気のある物件で、すでにその会社は同マンションで2室管理していて、空室になると問合せが多く、直ぐに入居が決まるところですと。
販売価格は、山手線の内側にも関わらず、2,300万円台且つ、現行家賃が周辺相場より安く、将来的な値上げが期待できる物件ですと。
『めちゃくちゃいいですね!直ぐに現地に確認に行きたいです』と私。
その日の夜、担当者から電話がありました。
- 『どうやら、その物件の共用部(ベランダ)で、飛び降りがあったようです…』
- 『でも、今は法律が変わって、共用部の場合は、事故物件にあたらないんです。また共用部の場合は、告知義務も必須ではないので影響はほぼないと思います』
- 『山手線の内側でこのスペック且つ、この値段はここ数年でまず出てきていません!』
少し考えさせてくださいと回答します。
- 担当者『わかりました。かなり人気の物件なので、すぐに契約をしないと押さえるのは難しいです。1週間で契約と頭金の入金をお願いしたいです』
- 『では1週間後に現地確認、その2日後にWEBで契約書を交わしましょう』
希少価値の高い物件であると理解していましたし、営業マン同士の物件の奪い合いもわかっていたので、了解しましたと、回答しました。
私『ただし、現地確認もマストなのと、それまで色々調べますね』と伝えました。
事故物件を調べまくる
事故物件の定義
ネットで調べまくりました。1番わかりやすくまとまっていたので引用します。
ただし、死亡原因によって事故物件と呼ばないものもあるなど、判断基準は明確に定まってはいない。Wikipediaより引用
いくつかのサイトを調べても、結構曖昧で、明確な基準がないように感じます。
●殺人、傷害致死、火災(放火ないし失火)などの刑事事件に該当しうる事柄で死者の出た物件
●事件性のない事故、自殺、災害(地震による崩壊など)や孤独死などで居住者が死亡した物件 これらは俗にいう心理的瑕疵に該当するものであるが、広義には近隣に暴力団などの犯罪者(またはその疑いのある者)が居住する場合、以前に事故物件に該当する事件が特にないにもかかわらず、「幽霊が出る」など科学的根拠のない噂が原因で住人の定着率が極端に悪いなど、前居住者の安否には直接該当しない案件も含まれうることに注意が必要である。Wikipediaより引用
この心理的瑕疵というのがポイントになりそうです。共用部の事故がそれに当たるかどうか、です。
不動産販売会社の担当者が言うように法律が変更された点も確かに記載されています。
対象は住居用で、オフィスなどは対象外。告知が必要でない事案は、病死、自然死、日常生活に伴う事故死。
告知すべき事案は、他殺、自殺、階段からの転落や入浴中の転倒・食べ物をのどに詰まらせるなど不慮の事故以外の事故死、事故死か自然死か不明な場合、長期間放置され、臭いや虫が発生するなどした場合。
ただし他殺や自殺、不慮の事故以外の事故死は、賃貸と売買とで条件は異なる。賃貸の場合、死亡からおおむね3年間は告知するものとし、それ以上経過した物件は告知する必要がない。売買の場合、死亡からの期間にかかわらず告知が必要となる。Wikipediaより。引用
これらの情報から、私が気になったのは2点です。
- 空室リスク観点
- 物件売買リスク観点
空室リスクは、入居者を募集した際に、共用部で事故があったことが、どれだけ入居希望者の判断に影響があるか?
売買リスクは、物件の売買時には告知義務が必須とあり、将来的に物件を売却しようとした時の影響調査を行うことにしました。
その上で、本物件の購入可否を決めることにします。
アプローチ① 空室リスク
シンプルに入居希望者の体で、ネットで見つけた不動産会社に電話をしてみることにしました。
業者がどのような案内をするか?によって入居希望者に与える心理的影響を検証しました。
サンプルとして3軒の不動産屋にあたりました。
結果は、全ての業者から、共用部分で事故があったことを説明されました。
私が不動産販売会社から受けた説明と同じ情報量を持っていましたね。
中には、『この物件はいわゆる事故物件なんですよ』と紹介する業者もいました。
私『告知義務っていつまであるんですか?5年、10年経ったら案内しないんですか?』と聞くと、
『いいえ、ちゃんと説明します』と。告知義務を守らずに後で心理的瑕疵を言われてしまうのは、業者としても避けたいようです。
実際私が住むわけではないですが、事故物件と案内されると、じゃあ無理にここにしなくても良いかな…という心理が働きそうです。
事故があったのは、3ヶ月前なのですが、家賃が相場に比べて安いのもそのせいかなと勘繰ってしまいます。
全く気にしない人もいるし、立地も設備も良く、家賃が安ければ、空室リスクは低いのかもしれませんが、私的にはマイナス印象を持ちました。
また本件とは関係ないのですが、2/3の業者から、線路に近いので騒音が気になる人はなるかも知れませんと説明されました。
これは現地を見ていないので何とも言えないのと、駅近とトレードオフなのですが、わざわざ言うことは気になる点なのでしょう。
今時の業者は丁寧に告知してくれるんだなと感心する一方で、悪いイメージが付いてしまうと入居者が決まりづらい物件は出てくるだろうなと感じました。
アプローチ② 物件売却リスク
これは検証が難しかったのですが、業界の人間に聞くのが1番と考えました。
もう1社好意にしている不動産販売会社がいたので、ぶっちゃけで質問してみました。
かなり良い物件なのですが、共用部で事故があり、どうなんでしょうかと。
回答としては、以下の通りでした。
入居者の募集時に告知は不要ですが、売却時は(
全く気にしないという方もおりますが、
例えば心理的瑕疵に該当するものとしては、共用部分での事故・
ネットで調べた内容と同じであり、共用部の事故とはいえ、影響がありそうです。
私が、今回購入にこれだけ迷っているので、同様に迷う人も当然出るでしょう。
私の出した結論
結論、今回は見送りました。
上記の検証結果のとおり、空室リスク・売買リスクの両方から、不利になりそうと判断しました。
それからもう一つ、キャッシュフローも数百円マイナスな点も気になっていました。
ポリシーとして、投資である以上は、例え1,000円でもプラスであるべきと考えていました。
もう一つ、完全に趣味趣向の世界ですが、地名が好きではなかった。いくら山手線内側の超好立地でも、何となく相性が悪いと感じていました。
我々不動産投資家は、業界のプロではありません。知識や経験値では業者に到底敵いません。
ですが、バッターボックスに立っても、見送るという選択肢があります。
別にこの物件に何が何でも決めなきゃいけないことはないんです。数千万円の投資なので、ちょっとでも気になることがあれば、やめてしまえば良いんです。
だって、数千万円ですよ!?35年ローンを組むんですよ?
しかも自分の居住用ではなく、投資の1つでしかないので、無理することなんて1ミリも無いんです。
ということから、今回のスペシャル物件!?は見送ることにしました。
振り返り
紹介してくれた不動産販売会社の担当者には、検討した結果、今回は見送りますと連絡をしました。(業者に電話したことは伝えてません)
アポの前日だったので、ドタキャンではないですし、現地で説明をして頂くのもお互い時間の無駄になりますし、断りづらくなると思ったからです。
出来る営業マンなので、契約書などの手続きをおそらく準備していたと思うので、それは申し訳なかったかなと。
しかし、先にもお伝えしたとおり、空室リスクや家賃下落リスク、マイナスキャッシュフローと付き合っていくのは、他でもない私です。
これは致し方がないかなと思います。
少し嫌な見方をすると、今回の物件は不動産販売会社としても、リスクがあると感じていて、(当然彼らが仕入れる時にも告知事項を見ているはずなので)、早いところ契約を決めさせたくて、急がせたのかも知れません。
前のオーナーも、結局事故物件になったから、急いで手放したのかも知れませんしね。
不動産販売会社として、安く仕入れて、一定の利益を乗せて売れればリスクはないわけです。
不動産投資を2018年からはじめ、何となく物件の良し悪しがわかってきた時に起きた事案です。
もしかしたら、本当にお買い得のスペシャル物件だったかも知れませんが、少しでもリスクを感じたら、ディールから下りる嗅覚は大事にしたいと思います。
不動産投資はある意味、ババ引きの要素もあると思っています。
これからも海千山千の不動産販売会社にカモにされないように細心の注意を払っていきます。
特に今は不動産投資ブームで、業者側がイケイケになっています。キャッシュフローも出にくくなっているので、少し待ってみるのもありかも知れません。