台風接近時の千葉でのサーフィン。その魅力と絶対に守らなければならない注意点
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2023年8月のお盆シーズンに日本列島に接近する台風7号のスウェルを求めて、8/14に波乗りをしてきたので記事にしていきます。
この台風は当初、千葉県に南の方から上陸すると見られていましたが、徐々に進路を西に(まさかの逆走)移していきました。私のメインポイントである千葉方面は全てクローズアウト、前日の13日夜の波情報では、湘南方面も同様にクローズしました。
これは内房ポイントが決まりそうだと、仲間数人と普段は波が立たない内房に狙いを定めて、午前3時に合流をします。
目次
内房ポイントを目指す
早朝から期待に胸を膨らませて、千葉県の内房のメインポイントである岩井海岸を目指します。
ここは有名な海水浴場であり、いわゆる遠浅で、普段は全く波がないビーチです。過去に1度台風が直撃した時に入水したことがあり、その時はメローで形の良い波を満喫しました。
台風の接近に伴い、ウネリが届いている可能性を考え、狙いを定めます。
4時台に駐車場に到着すると、既にたくさんのサーファーが波チェックをしています。よくもまあこんな早い時間からいるよな、と自分達のことは棚に上げて思います。
さて、波の状況はと言うと、
まさかのドフラットです。
これにはやられました。昨日より台風は日本列島に接近しているものの、西寄りに進路がズレた為に、南ウネリが入りづらくなったものと推測されます。
周りのサーファーからも落胆の声が聞こえてきます。どうやら昨日の方がサイズがあったようです。
内房の波を当てることは難しいと言われますが、まさにその通りで予想を大きく外しました。
その後も周辺ポイント(キャパが大きくないのでポイント名は伏せます)をいくつかチェックしますが、同様に波はありません。
さて、さて、どうしたものか。。。
台風時に向かったサーフポイントはこちらです
取った選択肢は南下です。
予想よりもウネリが入ってきていないならば、もしかしたら館山方面で出来るかもしれない。
クローズドの可能性はあるものの、このままサーフィン出来ないのは辛いので賭けに出ます。
2日目前の8/12に平砂浦ポイントで入水したところ朝イチは△40点で楽しめたのですが、徐々にサイズアップし、強めなカレントも発生、ダンパー中心のハードなコンデションに変わっていました。
また前日8/13の波情報でも、平砂浦ポイントはクローズドしていました。
よって本日狙うのは、平砂浦より南側の某ポイントです。ここも駐車場が狭く、またローカル色の強いポイントになります。
狙いを定めて、南下します。
平砂浦近くの某ポイントです
波、ありました。サイズは充分。
そして、ハードすぎない。
セットが入っても何とか対応出来そうです(写真はイメージになります)
以下の台風時の注意点について経験の浅いサーファーはよく読み、決して無理はしないでください。
- 岸から波を見た時、特に高台の場合は、波は実際よりもかなり小さく見えます。波に乗っている人と比較をして慎重に判断しましょう。
- ピークから気持ちよさそうに乗っている人は、エキスパートの可能性が高いです。いざ自分が入ったら台風の波のサイズとパワーに対応できない場合もあります。自分のレベルを見定めましょう。邪魔にならない空いている場所で入るのも作戦です。
- 異常なカレントが発生していることもあります。既に入水しているサーファーが常にパドリングをしてポジションキープをしている場合は要注意です。かなりの勢いで流されます。下手をすると、沖に連れていかれてしまうので十分な注意が必要です。
- 波の急変に注意です。台風ウネリは、その進路によって急激にサイズアップする場合があります。危ないと感じたら直ぐに、海から上がるようにしましょう。また大雨、強風、落雷のリスクにも注意し、周りのサーファーが、岸に向かって戻り始めたりした場合は、孤立することなくその動きに従いましょう。
某ポイントのメインピークから少し離れたところは、サーファーがほぼおらず、且つ波もクリーンで、セットが入っても対応可能そうです。
これは入るしかないと、パドルアウトします。
平砂浦エリアは水質がキレイで、海底が透けて見えます。また波もパワフルで、アイランドトリップのよう。
入水後30分くらいは、僅か数名でセットムネカタ頭くらいのクリーンで、パワフルな波を満喫しました。
風も北東のオフショアで、風を受けて割れづらいものの、面は整い、セットを中心にロングライド出来ました。
仲間とも思わず笑みが溢れるくらい、良い波でした!
30分を過ぎると、サーファーがどんどんと増えてきます。これだけ良い波だと、流石にいつまでも独占はさせてもらえないですね。。
約2時間入水し、潮が引き始めてサイズダウン&ダンパー気味になったので、一旦上がります。
台風時の2ラウンド目はすごかった
1時間くらい休憩して、再度入水します。
台風ウネリも入りづらくなってきているのかなと、仲間と話しながら海に向かうと…。
雑誌に出てくるような頭オーバーの波に、エキスパートがビシバシ当てこんでいるではありませんか!
うぉ〜、ハンパないなぁ
でもちょっとスープの量がやばいな。。。
と言うことで、サラリーマンサーファーの我々は、比較的落ち着いてそうなピークを慎重に探します。
無理は絶対にいけません。
パドルアウトをすると、1ラウンド目より明らかにサイズアップしています。
セットは頭オーバーです。
ピークを少し外した位置で、波を待ちます。
セットは、海外の波のようにメリメリと盛り上がり、形よく割れていきます。その波をローカルやエキスパートの方が、アクションを入れながら乗っていきます。
私もグーフィーの頭サイズの波を捕まえました。オフショアで割れづらいのですが、板を押し込み、テイクオフします。
ビルの2階くらいから、滑り降りるような感覚です。波の高さがハンパなく、面はキレイで乗りやすく、パワーは申し分ない。
これぞ、台風の波というのを味わいました。アドレナリンが止まりませんでした。
1時間半の間に3本くらい乗ることが出来ました。
しかも、何と海にキレイな虹がかかっているではありませんか。サーフィンしながら虹を見たのは初めての経験でした🌈
暫くすると、さらにサイズが上がってきます。
仲間とそろそろラスト1本にして上がろうかと合図をしていると。
波が急変しはじめます。
何だか、沖に流されるカレントが強まり、波のサイズが一気に上がり始めました。
おいおい、何か雰囲気やばいぞ。
すると、ダブルサイズの波が迫ってきます。急いで沖に向かってパドルアウトしますが、間に合わない。
目の前でダブルの強烈な波が崩れます。
まじか、これは死ぬ。。
ドルフィンスルーをしますがあまりに強烈なパワーに全く歯が立たず、
板が飛ばされて海底へと引きづりこまれます。
い、い、息が出来ない。
かなり深くまで吸い込まれます。
必死に海面を目指して上へ上へと泳ぎ、何とか顔を出します。
息を吸い込んだと思ったら、目の前に分厚いスープが押し寄せてきます。
まじでやばい。
仲間と目を合わせて、いち早く岸を目指すことを確認します。必死に板を掴み、岸に向けて死ぬ気でパドリングします。
兎に角、沖から離れなければならない。
次にまたデカい波が来てもやばいし、この強い流れで沖にさらわれても恐ろしい。
何とか、波を捕まえて足の着くところまで戻ることが出来ました。私より少し前に岸に戻ったサーファーも逃げるように砂浜まで走って上がっていました。
そのくらい恐ろしかったです。
岸から波を見ると、数分前と様子が様変わりしていて、スープで真っ白に変わり、完全にクローズ状態でした。
台風サーフィンのまとめです
今回は南房総の平砂浦近くの某ポイントで、台風スウェルを当てることが出来ました。
風光明媚な素晴らしいロケーションで、人が空いている時間もあり、力強い波を何本か乗りこなすことが出来ました。
波のパワーに比例して、乗った時のスピード、そしてアクションをかけた時の反応が全く変わってきます。
これが台風の波、良い波の時のサーフィンの醍醐味かと思います。
一方でそれの気持ち良さのバーターとして、危険と隣り合わせになります。
波の力は恐ろしい。一歩間違えば大けがにつながるし、下手をすると命を落としかねない事態になりうるという恐怖があります。
自然に対するリスペクトをくれぐれも忘れてはならないと思います。
絶対に無理をしないこと、改めて心に誓いました。