出向になった方にぜひ読んでほしい。出向によって身に着けることが出来た3つのこと。
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2年間の外資系企業への出向で得た経験値をまとめます。
出向とは、これまで自分が所属していた組織を飛び出し、見ず知らずの環境(会社)へ身を置くことで、大きな成長が得られるチャンスです。
限られた出向期間の中で、何らかのミッションを追っているケースが多く、孤独の中で闘い、成果を出す必要があります。
本記事では、私が出向した中で得ることが出来た経験値を見ていきましょう。
出向で得たもの① とにかく結果に拘る姿勢
私のミッションは、出向先企業の立て直しでした。
一介の中堅社員には、ハードル高すぎですよね。。
出向先はベンチャー企業ですので、元の会社のように社内整備がされていません。
営業・営業企画・プロジェクト管理など、守備範囲は広く、何から何まで全て自分1人でやる必要があります。
そんな中で、新規事業の立ち上げをし、それによって収入源を確保しなければなりません。
新たなマーケットへの参入である為、業界でトップシェアの会社に戦略的なパートナーになってもらうための交渉は、今まさにスタートしたばかり。オンライン面談を1、2回しただけの状態です。
しかも複数社とのコンペが確実で、競合に打ち勝ち、契約を結ぶことから始めなくてはなりません。それを短期間で業務提携まで持っていき、商品リリースを約1年間で行うという、なかなかのハードな内容です。
そのミッションを達成しないと、出向先の存続が危うい(資金ショートしてしまう)という、強烈なプレッシャーでした。
また出向元の役員やプロジェクトメンバーに週次で進捗報告をしなければならず、何らかのアウトプットをしなければならないという非常に追い込まれた状況です。
これらを潜り抜けて、一定の成果を出すことが出来た経験から、限られた時間の中で、何が何でも結果を出す、という姿勢が養われました。
出向で得たもの② コミュニケーション能力
出向先は外資系企業の為、社長は外国人で、社員の2/3が外国人でした。
しかも、ほとんどの社員がエンジニアという、これまで直接の接点がなかった業種の人々。
コミュニケーションは英語です。しかも、システムの人間を相手にするという、これまで置かれたことがない環境でした。
ちなみに私は英語が堪能ではないので、翻訳ソフトに頼りながらの意思疎通でした。
セールス担当である私は、提携先の潜在的なニーズを汲み取り、それを的確にエンジニアに伝えて形(商品)にしていくか。
これは本当に難しかった。
ある程度の規模の会社であれば、セールスとエンジニアの間に、ミドル部門が存在し、PDM(プロダクトマネージャー)が橋渡しをしてくれるはずですが、そんなプレーヤーは存在しないのです。
言葉の壁と業種の壁を越える為、日々苦労しました。
そんな中で私がとった方法は、
- 日本語と英語の両方が話せる元エンジニアのスタッフを味方につけて、通訳兼、業務の橋渡しを担ってもらいました。
- プロジェクトオーナーである出向先の社長を定期的にミーティングに加えることで、プロジェクトを止めないように必要な支援をお願いしました。
- 資料作成やエンジニアとのミーティングでは、ロジカルであることを徹底し、文字は少なく(英語にするのも大変だったので)、ビジュアルで見せるようにしました。コンサル出身の方の本を読んで、伝わりやすい資料作成を学びました。
- 期限管理を徹底して、顧客の求める納期に間に合うことを最優先にしました。セールスの私から見ると、エンジニアはどうしても細部に潜り込んでしまうので、全体のタスク管理を行うようにしました。
このようなやり方で、とにかくプロジェクトを前に前に押し進めました。
言葉で書くと当たり前のようですが、出向先の人的な繋がりもない環境で、全く新しいことに取り組むとなると想像以上に大変です。
コミュニケーションとは、どうあるべきか、を徹底的に考えさせられた2年間でした。
出向で得たもの③ 合理的な働き方
出向先の社員は全員、中途採用者でした。また原則リモートワークなので、会社に出社して対面で話すということがほぼありません。
これまでいた日本的な会社とは、対照的です。スタッフは会社に対して、ある意味でドライに付き合っている印象でした。
勤務管理も合ってないようなので、誰が何時に働いて、いつ休んでいるかも気にしておらず、新鮮な感覚でした。
リモートワークは慣れてしまえば、意思疎通に困ることもありません。
満員電車に1時間近く揺られるのも時間と体力の無駄だし、周りに気を使って早く帰るのを躊躇うこともなくなりました。また目的やアジェンダがよくわからないミーティングには参加せずに、効率的な働き方を強く意識するようにしました。
関係者とは密にコミュニケーションを取りながら、結果を出し続けることが最優先だと考えることにしました。また管理職は残業代もつかないので、意味のない付き合い残業はやめました。
その分家族との時間を増やしたり、自身の自己啓発にあてる方が100倍良いと思います。
家族でフェリーに乗って8泊9日の北海道へキャンプに行ったり、複数の資格取得に成功しました。
そういったある意味割り切った考え方が出来るようになったのも出向のおかげだと思います。
まとめです
出向の辞令が出た時は、誰もがそうだと思いますが、正直かなり焦りました。
しかも、それが予想だにしない環境で、高いミッションを課せられた時はより一層やばいです。
ここはマインドチェンジをして、その役割に指名されたと思って、前向きに捉えるしかありません。
私は、出向を機に大きく成長できたと考えています。
これまでと同じ会社で、同じような業務を続けていたら、見ることが出来なかった景色、経験がそこにはあります。
『郷に入れば、郷に従え』という言葉がありますが、一旦これまでいた会社の常識を捨てて、出向先に飛び込んでみると良いと思います。
出向の経験は、帰任した時に自分を守ってくれる強い武器となるはずです。